第13章 ブラックインパクト
コナン君は私とジョディさんを連れて、博士と哀ちゃんのいるビートルに戻った。
「あのアナウンサーに見つかったじゃと!?」
博士が驚いたように言う。私も聞いていなかったため、きょとんとした。
どうやら彼は、私を見つける前にキールに見つかってしまったらしい。
コナン君がキールをごまかし切ることができただろうということを博士達に話し、ジョディさんが「まぁ、ここから先はFBIに任せて、あなた達はビートルで家に帰るように……この子達は借りて行くけどね!」と言い、コナン君の頭を撫で、私の肩を軽く叩いた。
「じゃが、車もなしにどうやって追跡を?」
博士が訊くと、ジョディさんが言った。
「No problem……」
問題ない……?私が首をかしげると、車がタイミングよく停まった。運転席にはジェイムズさんがいる。
「私のボスが直々に運転手を買って出てくれたから……」
ジョディさんは彼をちらりと見ながら言った。コナン君がビートルの助手席のドアを閉める。
「じゃあ博士!おっちゃんと蘭を頼む!うまいこと博士ん家に呼んで匿ってくれ!」
「あ、ああ……」
「念の為に私達の仲間を2、3人張り込ませておくから……」
「じゃあ頼んだぜ!」
哀ちゃんが車に向かう3人に声をかけた。いや、主にコナン君か。
「ねぇ……分かってるでしょうけど……。あなたの第1目的は、発信器と盗聴器の回収よ!妙な好奇心と正義感で躊躇してたら、何もかも失ってしまうわよ!」
哀ちゃんは怖い顔でそう言った。コナン君も少し恐れを抱いた様子で、「分かってるよ……」と言った。