第13章 ブラックインパクト
杯戸公園に向かっている間に雨は止んだ。
あの作戦に雨はとても不利益。となれば、彼らが暗殺を実行するのは必至だ。
「急がなきゃ……!」
私は全速力で公園に向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
駐車場には、ジンのポルシェが停まっていた。ということは暗殺場所は公園の方か。私はポケットに銃を入れたことを確認し、公園に走った。
彼らは雨を気にしていたから──多分、狙撃手のキャンティとコルンがいるのは、ビルの屋上と給水タンクの下。キールがベンチにターゲットを誘導した時に撃つ算段か。
どうする?雨を気にしていた彼らなら多分……。
私はきょろ、と辺りを見回した。──見つけた。
「サイレンサーは……持って来てる。よし、──やれる」
私はニヤリ、と笑った。
キールが土門さんをベンチに座らせようとする。そのギリギリの所で私はスプリンクラーに向けて銃を撃った。
キールがハッと気づいたような顔をしたが、私はそれを気にも留めず、2発、3発とスプリンクラーに撃ち続ける。
やっとの思いでスプリンクラーから水が噴き出した。
「よっしゃ!」
彼らにはそれが雨のように思えたらしい。全員が傘を差し始め、土門も差した。
これで、とりあえずここでの狙撃は阻止できた。私はホッと息をつきながら駐車場へ戻る──はずだったのに。
「……何やってんの?」
コナン君がそこにいたのだ。そばにはジョディさんもいた。
「こ……コナン君。ジョディさんも……」
「何で銃撃ってんの?それに、何でここにいるの?」
「えと……は、話せば長くなるんだけど……」
私は困ったように笑い、事情を話し始めた。
私が話し終わると、コナン君は私の手をぐいっと引っ張った。
「な、何!?」
「瀬里奈姉ちゃん、次の狙撃のことは知ってる?」
「え……ううん、知らない。でもみんながどう動くかは大体予想がつくわよ」
「本当!?」
コナン君の顔が華やいだ。ジョディさんも嬉しそうに頷く。
「なら、瀬里奈姉ちゃんも一緒に来て!聞きたいこともたくさんあるんだ!」
「え、ちょっと……!」