第8章 命懸けの復活
「新一さ、自分が倒れた時『やべぇ、縮んじまうっ!』って思ってたんじゃない?」
車で家に帰る途中で、瀬里奈はそう言ってみた。新一は驚いたような顔をしたが、すぐにこくっと頷いた。
「ああ……。発作が起きたし、効果が切れかけてるんだとばかり……ってかオレのモノマネかよ」
「悪い?……でも縮むことはなかった、か……」
「なぁ瀬里奈、オメー何かしたのか?」
新一が瀬里奈にずいっと顔を近づける。瀬里奈はそんな新一の顔を助手席に突き戻した。
「顔近いっ。──何もしてないわよ。……ったく、約束破って何してんのよ」
「悪かったって!事件の真相が分かったら歯止め効かなかったんだって言ったろ!?」
「だからって、私と哀ちゃんとの約束破ってたら意味ないでしょ?」
そう言うと新一はうっと詰まった。
「ホラ、家着いたから降りて!私買い物行ってくるから」
「あ、じゃあオレも付き合う……」
新一が言うが、瀬里奈ははぁ、とため息をついた。
「バカね。あんたの顔は組織に割れてるのよ?彼らの目がどこで光ってるか分からないのに、わざわざ私と一緒に行く?それに、私もたまに監視付けられてるし」
そーゆーことだから、と瀬里奈が車を走らせる。残された新一は「だから心配だってーのに……」と呟いた。