第8章 命懸けの復活
「いやー相変わらず頼もしいねぇ君は!」
目暮警部に推理を大絶賛され、被疑者の事情聴取に立ち会わないか、と誘われたが──
「いや、ボクは遠慮しときますよ……。まだ野暮用が残ってますし……」
新一はそう言って、蘭ちゃんをちらりと見た。
そして例によって、事件に新一が関わったことは内密にするように警部に口止めをした。最近謙虚だな、と目暮警部が呟くのが聞こえる。
「なんで事情聴取に立ち会わへんのや?」
平次君が不思議そうに問う。私君はもこくこくと頷いた。
「そうそう。もしかしたら今後の捜査の参考になるかもよ?」
「悪いな……」
首をかしげた私に新一は笑って答えた。
「トリックなんて所詮人間が考え出したパズル……。人間が頭をひねれば、論理的な答えをいつかは導き出せるけど……」
新一の息が少し荒くなる。
「情けねーが、人が人を殺した理由だけばどんなに筋道立てて説明されても分からねーんだ……。り、理解は出来ても納得できねーんだよ……。ま、全く……な……」
新一が椅子に手をつく。私と平次君が同時に驚いた。そして──
「新一!?」
「おい工藤!?」
──新一が倒れ込んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
保健室のベッドに寝かせてからしばらくすると、新一が目を覚ました。
「よかった新一!」
へ?へ?と状況が理解できていない様子の新一に、私が「あとで話してあげる」と耳打ちする。
不思議な顔をしている新一を連れて、私は家に帰った。