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境界線。【安室透夢小説】

第6章 探しものはなんですか?




another side



「目暮警部。どうかしたんですか?」

「うむ.........白鳥くん。 結城 くのえという名前を知っているか...。」

「...いえ。さっきの女性の名前ですか?」

「............では、10年前のちょうど今頃、殺人及び少女監禁事件について知っているか?」

2人は顔をしかめる。

「........たしか、家に押し入ってきた男に母と父が殺害され、当時7歳の女の子が1週間、両親の死体と同じ部屋に監禁されてたっていう凶悪事件........まさかっっ」

白鳥ははっとした顔になる。

「...そのまさかだよ。 結城 くのえくん。世間一般には 名前は大きく発表されていないが...当時誘拐されてた少女だ。」

「......でも、あれだけ凶悪な事件の被害者が、今は普通に過ごせているみたいで良かったですね。」











「...いや、それがだな。 結城くんは保護された直後からニコニコと笑っておってな。とてもじゃないが、あの劣悪な環境の中で過ごしていたとは思えなくてな。身体は傷だらけ、目の前で両親を殺されたにも関わらず、事情聴取の後には我々警察に労いの言葉なんかもかけるほど。.....ちょっとばかり普通とは違った。その時のワシには7歳の少女がものすごく異様に見えたよ。」


「........。監禁生活の中で精神を病んだということでしょうか?」

「うーむ。だか、精神鑑定にも異常はなし。保護の後1週間後から学校に通い始めるが学校生活でも何事もなかったように問題はなく過ごしている。側からみたら 結城くんがあの凶悪事件の被害者だなんて夢にも思わないだろうな。」




「........マークする意味は少なからずあるということですか?見たところによると、彼女店に入る前は白い帽子を被っていたようですし。」




「...あぁ。自分が幼い頃にされたことをそのまま他者にする。可能性は低いが、ありえない話ではないだろう。ただ、 もし読みが外れていた場合は結城くんの辛い記憶を思い出すだけになる、慎重に扱わねばな。」







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