第1章 出会い
「血、血が」
私は慌てて持ってきたタオルを彼の腕へ一枚ずつ巻きつけた。
母がよくする止血法を試みるため、彼の腕の傷口を舐めた。
初めて会う人、の形をした竜の腕を舐めるとは中々の構図だが助けることが第一優先。
舐めとって血は唾液とともに吐き出そうとしたら、その人の形をした竜は私の両頬をつかみ、口を閉じさせ無理矢理にその血を私へ飲ましたのだ。
そのまま私は宙へと飛んだ。その人と共に。
その人の形をした竜は完全に竜となっていた。。
上に上がりつつも、蛇行したりくるくると回るため、酸素が薄れ酔ってしまい私の瞼が落ちてくっついてしまった。
呑気に寝ている場合ではないが、多分これは夢だからファンタジーな竜がいたりやけに澄んだ泉が存在するだけ。もう一度寝れば、元いたあの村に帰れるんだ。
そう思うと、安心して眠れるような気がした。