第1章 出会い
次に目が覚めたのはふかふかとした、ベッドの中でだった。
暖かな羽毛布団がかけられ心地よく寝られたようで目覚めがいい。
でもここは元いた村ではない。村にこんな豪勢なベッドは私が知る限りはなかったし、一部屋がこんなに広い家もあの村にはなかった。
もしかして、私はどこかで倒れていて異国の貴族に保護されたのかもしれない。
小さな脳をフル回転させて、良いエンディングになるものを必死で探していた。
部屋を見渡すと、いかにも客人、それも特別に用意されたような内装で日の光がキラキラと反射してあの泉のようだった。
ベッドから起きると薄茶色のワンピースから青いワンピース、どちらかというと御伽噺の挿絵で見たお姫様が着るようなドレスに近かった。
青い絨毯に恐る恐る足をつけるとほんのり暖かく、裸足でも苦ではなかった。
ドアノブの高さは小さな私に丁度良く、そういえば天井の高さ、枕、ドレス、ベッドの大きさも私に丁度良かった。
まるで私のために作られたように。
もう一度部屋を見渡すと、真っ青な部屋だった。良いエンディングを探すあまり、気づかなかった。青の濃淡は違うが、置かれているもの全てが青かった。私の色だけが仲間はずれだった。
青すぎて居心地が悪く一刻も早くドアの外へ出ようと前のめりになってドアを開けた。