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竜との契約。

第1章 出会い


それに気づいた私は急いで駆け寄った。ヨアニスも私についてきた。
「大丈夫ですか…っ?」
あと3メートルほど、とそれに迫った時私もヨアニスも息を飲んだ。

それは背の高い男性だった。それも恐ろしく顔が整った。
だが、頰には青い鱗が生えていた。閉じている唇からは太い牙が二本出ており、
手も足も人間のような形をしていたが、全面に鱗が生えており、爪は黄色く研がれていた。
彼は布を一枚巻いているだけだった。
鎖骨から腹辺りまでは白く、蛇の腹のようになっていた。


彼は、人の形をした竜だ。


声をかけたことからか、たまたま目覚めたのか、彼は目を開けた。
琥珀色の爬虫類のような目だった。あと3メートルという近さで放っておくの気がひける。

「…どうかなされたんですか?」

震えた声では不自然かと思いつつも初めて見る生物の姿に怯えてしまう。
彼は寝惚け眼で起き上がろうとしたが、直ぐにまた横たわってしまった。
さっきは彼の風貌に驚き気付かなかったが、両腕から血が出ていた。
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