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八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】

第2章 ページ2、地獄





実際には、屍が2000を超えた頃


死体から魔(マナ)を受け取って読み取ったが

貧しさを機に自殺しようとしたり、運試しに参加した恵外界の人たちや
平界や王貴界のボンボンや欲深な者たちだった。



苦痛に顔をゆがめ、爆死していく様に

最初こそ、怯え、泣き、わめき、叫び


必死に逃げようと暴れたが、無理だった。



引きちぎっても取り押さえられ、麻酔をかけられた。




最終的に…


「お前みたいなやつは、感情なんて抱いちゃいけねえんだよ。この人殺しが」

クズに向けられる視線や、唾と共に吐きかけられた言葉も


「お前など、生まれてきてはいけなかった」

それらの言葉を全て、うのみにし

感情だけでなく
「自分さえいなければ死なずに済んだ」という自責以外の思考さえもなくしていった。



痛みに、恐怖に、殺して欲しいという切望に、感情に

全て埋め尽くされていき、覆いつくされていき…


幼い頃に抱いた
希望も、夢も、遠い昔に家族と笑い合った日々も

その暗闇へと、飲み込まれていった。





死体として回収されて、実験が始まってから

1年もの月日が流れていたらしく



研究者曰く「自分がやっても大丈夫な手法が完成した!
もうじき俺は、強力な力を手に入れる!
すぐお前を実験体として的にしてやるよ!

はっ。
あたりの失敗作は」


そう言ってから、乱暴に死体を蹴り

手法を変えて自分の血を飲むが


苦しむ時間が増えただけだったようだ。



苦しみもがきながら

「全て、お前のせいだ」


そう睨まれながら、息絶えた。



どれだけ絶叫しても

誰も助けなど来ない。痛めつけてくるだけ。


人に対する印象は、既に…絶望に似た存在だった。




それから後、さらに半年もの月日を

何も物言わぬ死体と共に、過ごしていたらしい。



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