八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第2章 ページ2、地獄
自分は幼い時より
あまりの回復の速さにより、気味悪がられていた。
どれだけひどく傷付けてもなお
瞬時に煙と、じゅうううという音と共に回復していく。
そんな内側が焼けるような感覚が、嫌いだった。
それを良い事に、見た目からじゃわからないだろうと高をくくり
散々傷付けられてきた。
いじめられていたことはばれたが
そのような迫害を受けていたことだけはばらさないままだった。
終いには「助けて」と涙することも
それを哀しむことも、抵抗することさえも出来ぬようになっていた。
誰が思っただろう。
死んだはずの人が、圧倒的な回復力により蘇生されたなど。
その死人を実験材料にしようとしていた研究者に
生きていたことで、そう簡単に死にはしないとひどいことをされるなど。
今までに味わってきた、哀しみや憤りなど…
これから始まる地獄ともいえる実験と比べれば
天国のように思えるほどの、苦痛しかなかった。