八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第16章 ページ16、遠征
~遠征・3日前~
終戦を祝うことで、気持ちを切り替えようと
以前なら前魔法帝・ルドルフ殿が執り行う所を
それに代わって、ユリウス殿が執り行うこととなった。
が、終戦祝いの式…
ケイト「………」しーん
『……………』
あまりの空気の重々しさに、飯がまずくなりそうなほどだった。
普段なら、ケイトがはしゃぎまくって一人一人丁寧に胴上げしていき
とんでもなくしっちゃかめっちゃかで、この上なく騒がしい劇場へと変わっていくのだが…
死んだのがあまりにも近しい人の為か、はたまた凱旋が2年も続いたためか、余計に沈み込む方が多かった。
ヤミ「…いつも真っ先にはしゃぐはずのあいつが…
どうする?
空気重すぎね?;」こそこそ
ノゼル「私に聞くな」むっ
フエゴレオン「……」ずかずか
そう話し合う二人を背に、私はケイトへと歩み寄った。
ケイト「?」
フエゴレオン「…いつもの胴上げはないのか?」
ケイト「…」
フエゴレオン「こんな重苦しい空気にして、国王になれるのか?」
ケイト「……なる!!
よっしゃ、やるぞおおおおお!!!!」
その瞬間、水を得た魚のように例年通り騒ぎ出し
胴上げ所か、人を千切っては投げ千切っては投げという行為を繰り返し続け…
ヤミ「やめろボケええええ!!;」
ケイト「生き残ってくれてありがとううううう!!!!」涙
ノゼル「騒々しい;」溜息
フエゴレオン「いつも通りなのはいいんだが…な;
(度が過ぎている」汗
親しい者が死んだが故か
涙を流しながら感謝の意を示すように、声が枯れるまで叫び続けていた。
あの世の魔法帝も、この光景を見て
いつものように、さぞ楽しそうに笑っていることだろう。
そう思いながら、私は冷や汗交じりに笑うしかなかった。