第5章 【黒バス】ハンカチーフと私
「え、ぇと……」
デート!なんて盛り上がっているのは私だけだし、 彼は私の名前すら覚えてないに違いない。
「千恵巳、だったか」
ほわ!
苗字を呼ばれてしまった!
緑間くんに覚えてもらっていたなんて……♡
「違ったか?」
真顔で内心デレデレしていた私に緑間くんがムッと眉を寄せる。
Kawaiiiii!!!(二回目)
「ち、ちがいまひぇんっ!」
か、噛んだっ!!!
「プッ……オホンッ、……そうか」
緑間くんが笑って……それを誤魔化すようにオホンオホンと空咳をしている。
そんな顔もKawaiiiii!!!(三回目)
「緑間くん、可愛い……」
思わずポロリと本音が口をつく。
「か、可愛くなどないのだよ!」
カショーンッと派手にブリッジを跳ねあげ緑間くん。
ああ、Kawaiiiii(確信)
緑間くんはでっかい。
何か中学校の時にはもっとおっきい人もいたって話してるのを聞いたことがあるけど、彼自身だって十分に大きい。
多分私服でシレッと買ったらアハーン♡な薄い本だって買えちゃいそうなんだけど、そんな彼が子供みたいな反応をするのが可愛いらしい。