第3章 Power of Love
『空神様』の唇が私の唇に重なった。
初めての経験に私は目を閉じる事さえ忘れてそれを受け止める。
柔々と下唇を食まれたかと思えば『空神様』の舌が無遠慮に口内に侵入し、腰から崩れ落ちそうになった私を『空神様』はしっかりと支えてくれた。
「おいおい……
随分と可愛い反応をするじゃねェか。
堪らねェな。」
「だって……」
『空神様』から目を逸らす事も出来ずじっと見つめていると、またチュッと音を発てて私の唇が吸われる。
「戦地に向かう前夜なんだ。
…………なあ、ヤラせろよ。
それが俺の許婚である手前ェの仕事だろ?」
艶やかな笑みを浮かべた『空神様』から紡がれた言葉。
意味は分かる。
意味は分かるけど……。
逆上せた様な頭で必死にその行為を想像してみる。
…………嫌じゃない。
それ所か、私………望んでる。
『空神様』の物になりたい。
頬を真っ赤に染めて小さくコクンと頷いた私を見て
「上等だ。」
『空神様』は一層満足そうに笑った。