第2章 はじめまして
「あ…あの、アリスと言います。…よ、よろしくお願いします!」
い、言えたー!
頑張りました私!
「ちょっ、ちょっと待てよ親父!さっきの子猫はどうしたんだよ!」
エースさんはついにパニックを起こしていました。
…なんだか申し訳ないです。
「落ち着けよい、エース」
そんなエースさんを止めたのはこの船に通してくれた目つきの悪い男性でした。
「だってよ、マルコ」
マルコ…?
じゃあ、この人があの不死鳥マルコさん?
ふぇぇ〜、やっぱり隊長さんともなると私でも知っている人たちばっかりです。
「グララ。まぁ、エースが混乱するのもわかるが、さっきの猫はこのアリスだ」
するとピタッとエースさんが固まりました。
「嘘だろ…」
エースさん以外の隊長さん達は分かっていないので?しか浮かんでません。
エースさんは私の方をじっと見ています。
ううっ。
やっぱり気持ち悪いんでしょうか?
「つっ…////」
すると途端にエースさんの顔は真っ赤に染まりました。
「お、なんだよエース。アリスに惚れたか?」
リーゼントさんががエースさんの肩に腕を回して体重をかけています。
重そうです。
「うっ!うるせぇ!このフランスパン!!」
「おっ!お前!このリーゼントは俺のポリシーなんだぞ!!」
ギャーギャーと喧嘩が始まってしまいました。
どどど、どうしましょう⁉︎
私1人あわあわしているけど、皆さんは普通にしています。
も、もしかしてこれが日常茶飯事なんですか⁉︎
わ、私はここでやっていけるのでしょうか?
「静かにしろよい!」
ガン!
喧嘩を強制的に終わらせたのはマルコさんの拳骨でした。
「お前ら!アリスが怖がってるよい!」
ひぃぃぃ!
お顔が怖いですっ!
「いや、どちらかといえばマルコの顔で怖がってるぞ」
ボソリと誰かが呟きました。