第7章 ひとときの休息
ログがたまり春島を出て早二日。
私は子猫になり日向跋扈をしていました。
最近全然この姿になっていなかったのでとても新鮮です。
「ふみゃっ」
おまけにまだなんとなく春島の気候の中なのでこれがまたお昼寝にはちょうどいいんです!
そうやって一人でポカポカくつろいでいると、一人の人が私の近くにやってきました。
「お、やっぱりここか」
そこには珍しくイゾウさんが立っていました。
私に何か用でもあるんでしょうか?
「みゃん?(何か御用ですか?)」
「ちょうど隊の仕事がひと段落ついてね。今休憩中なんだよ」
ほぉ、エースとは大違いですね。
つい三十分前にマルコさんの雷がエースに落ちて今は部屋に閉じこもっているんです。
「で、エースがさっきマルコの怒られていたのが聞こえてね。きっとこの時間ならアリスは昼寝でもしてるんだろうし、これで遊んでやってもいいかなって」
いやいや、イゾウさん。
遊んでやろっかなって思うより寝かせてほしいのです。
こんなにポカポカないい天気に寝ないとやってられません。
私はフイっとそっぽ向いて目をつむりました。
そんな態度を取ったので、私が遊ぶ気がないと判断したんでしょう。
イゾウさんは何かをゴソゴソしだしました。
ちょっと気になるので片目だけそっと開けてみると、そこには猫じゃらしがいました!
ビクン!と思わず反応してしまうあたり、やっぱり私って猫なんだなって自分で思うんです。はい。
「ほらほら、こっちだ!そらっ!」
だから、遊ばれているってわかっていてもどうしても反応してしまうんです!
「ふみゃっ!ひみゃっ!」
むぅぅ!イゾウさんが操る猫じゃらしはすばしっこいです。
全然とらえることができないです。
しばらく猫じゃらしと格闘していると、遠くからイゾウさんを呼ぶ声が聞こえました。
ようく見てみると遠くから、イゾウさんの隊の人がやってきました。
何だかとても急いでいるように見えます。