第7章 ひとときの休息
それを聞いてエースは確かめるっように私の方を向く。
私は肯定するため、コクリと首を縦に振った。
「それに、俺は今休暇中の身なんだ。今日のところは見逃してやるからそのお嬢さんを労わってやんなさい」
そういうと青キジさんは私たちとは逆の方向に歩いていきました。
「はぁ~」
青キジさんが去っていくと、エースは深い溜息を吐いてその場に座り込んでしまいました。
「だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。とにかくアリスを見つけることができてよかったよ。あ、そうだ」
エースは何かを思い出したように鞄の中をゴソゴソと漁り始めました。
一体どうしちゃったんでしょうか。
「こんなタイミングで渡すのもアレなんだけどさ、ほらよ」
エースから渡されたのは小さな袋。
両手に納まるサイズです。
せっかくなのでその場で開けてみると中から先程私が見ていたムーンストーンのネックレスが出てきました。
「エース、これって…」
「まぁ、なんだ。アリスに似合うと思って買ってたんだ。つけてみろよ」
「はい!」
早速、つけようと金具を外して首にまでもっていったところで中々金具がくっついてくれません。
「あ、あれ?」
ひとりモゴモゴと悪戦苦闘していると、ブハッっという笑い声が聞こえてきました。
見るとエースがおなかを抱えて声は出さずに笑っていました。
ひ、ひどいです…
「わりぃ、わりぃ。なんか苦戦しているアリスがかわいくってな。ほら、俺に貸してみろ」
エースはネックレスを持つと私の首に腕を回してきました。
ふわわっ!エースの顔がものすごく近いです!てゆーか近すぎます!
ひとりで勝手にドキドキしている間にエースはいとも簡単にネックレスをつけてくれました。
「よし、ついたぞ。なかなか 似合ってんじゃねぇか」
胸元には確かにエースがくれたムーンストーンがきらりと光っています。
「ありがとうございます、エース。一生大切にしますね!」
「っ!///」
エースの顔がいきなり赤くなりました。