第7章 ひとときの休息
「う、うわぁぁぁ!!」
「キャッ!」
私を担いでいた男の人は、私を地面に落とした後倒れたお仲間さんたちを置いて逃げていきました。
「大丈夫?お嬢さん」
助けてくださった長身の人は私に手を差し伸べて心配してくれたようです。
「ありがとうございます。とても助かりました」
「ま、気を付けるんだな。このあたりは表はとてもいいところだが裏では普通に犯罪に手を染めている奴がわんさかいる」
「はい」
長身の人は私が立ち上がったのを確認して表の通り目で案内してくれました。
さて、ここからエースを見つけれたらいいんですけど…
「アリス!」
近くからエースの声が聞こえてきました。
近くを確認するとこちらに走ってくるオレンジ色のテンガロンハット。
間違いなくエースです!
「エース!」
あまりの嬉しさに思いっきりエースに抱き着いた私。
勢いをつけすぎたせいでエースを押し倒す形になってしまいました。
「あわわ!ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「ああ、それよりも無事でよかった」
「ふぎゅう」
私の存在を確かめるようにエースは人目を気にすることなくギュッと私を抱きしめてくれました。
さっきの恐怖の後にこうして抱きしめてもらえると心が落ち着きます。
「あのよ、再会を喜ぶところ悪いんだがおめぇら人目ってもんを気にしようぜ」
長身の人は少し気まずそうに頬をポリポリとかきながら私たちの方を見ていました。
「お、お前は!」
エースは長身の人の顔を見た瞬間一気に緊張感ある表業に切り替わりました。
一体どうしたのでしょう?
「久しぶりだな、火拳のエース」
「大将青キジ!」
大将青キジって確か海軍のトップの人ですよね?
この人がそうだというんでしょうか…
「なんでお前がこんなところにっ!」
「何、別にお前たちを摑まえに来たんじゃねぇよ。ただ、底のお嬢さんが良からぬ輩に絡まれていてね、助けたまでだよ」