第7章 ひとときの休息
「さ、行こうか」
「やっ!」
一人の男の人の腕がおなかに回り、気が付けば方に担がれていました。
このままじゃ本当にもうみんなとは会えない。
あんなに優しくしてくれた人たちに私はまだ何もしていない。
「誰か!助けて!!お願い!!」
「うるせえんだよ!ちょっとは黙っとけ!!」
ガツンと大きな衝撃が左頬に走った。
最初は何が起こったのかさっぱりわかりませんでしたが、だんだんとジンジン痛みだした頬で殴られたんだと気が付いた。
「…あ」
もう恐怖でか細い声も出なくなっていました。
何も声を発さなくなった私を見て満足したのか、それ以上殴られることはなさそうですが、私の震えは更に加速していました。
嫌だ。
心はこんなにも拒否しているのに、全く言うことをきいてくれない自分の体が嫌だ。
エースたちに会えなくなるのは嫌だ。
まだまだみんなと一緒に居たい。
「えーす…」
ほとんど息のような声が呟かれた。
「あらあら、いたいけな女の子ひとりに随分なことしてるじゃないの」
声をした方を向くと長身な男の人は目の前に立っていました。
「なんだぁ、こいつ」
「構わねぇ、やっちまえ!」
うおぉぉぉ!と男の人は長身の人に突っ込んでいきましたが、一瞬のうちに気を失ってしまいました。
それを見た私たちは一体何が起こったのか全く分からない状況でした。
「な、怯むな!いけ!!」
今度は数人がかりで長身の人に突き進んでいきます。
「やれやれ、あんまり時間を取らせないでくれよ」
長身の人は一歩も動くことなく数人がかりできた男の人たちを倒してしまいました。
「う、嘘だろ…」
最後に残ったのは私を担いでいた男の人だけでした。