第2章 はじめまして
そんな私の様子に気がついたのか目の前の男性は「はぁ」とため息をついて
「分かったよい。船医には話を通しておくから行って来いよい」
少し諦めにも似た表情で私たちを通してくれました。
見かけによらず優しい人ですね。
テンガロンハットの男性、ええっと、確かエースさんは私を医務室に連れて行ってくださり話が通っていたので直ぐに怪我の具合を見てもらえました。
「怪我は大したことねぇし、何かの感染症やウィルスにかかっている様子もねぇな。
強いて言うなら軽く栄養失調に陥ってるぞ」
「そうなのか…」
ほうほう、そんな事までわかるんですね。
私自身は何にも気づかなかったのに…
「おーい、エース!お前猫を拾ったんだってな!」
バタン!と大きな音を出して扉を開けてきたのはリーゼントの男性。
「丁度いいサッチ!お前に頼みがある!」
エースさんは私の事情を話すとサッチさんが料理を作ってくれる事になりました。
しばらく待っているといい匂いとともにサッチさんが医務室へ再びやってきました。
「ほら!栄養あるもの作ってやったぞー!」
私の目の前に置かれたのは野菜を茹でて柔らかくしたものやお魚を丁寧にほぐしたものでした。
これはとても美味しそうです♪
早速いただこうと思ったのですがまだ暑かったのでゆっくりといただきました。
とても食べやすくて美味しかったです。
「で、このネコどうするんだ?」
「そーだな…。とりあえず親父のところに連れていつ行って見るか」
親父?
この船にはお父さんが乗っていらっしゃるのでしょうか?
エースさんは船医さんに許可を貰い私を抱き上げてくれました。
まだ少し震えていた私に気がついたのかエースさんは優しく全身をなててくださいました。
むふぅー。
これは気持ちいいですねぇ
思わずリラックスしてしまっていると気がつくと大きな扉の前にいました。
「親父、いるか?」
「グララッ、何だエース」
部屋の中にはとても大きな男の人がいました。
…あれ?この顔何処かで見た事があります。
どこでしたっけ?
んーと、んーと…
あっ!思い出しました!
この方は白ひげさんではありませんか⁉︎
そうですよ!どうして気がつかなかったんでしょう⁉︎