第4章 隊決め
「…はっ!」
気がつくと、状況は先ほどとほとんど変わっていないようです。
…え?私はみなさんに囲まれたまま気を失っていたということなのですか⁉︎
こ、怖いです! ぶるぶるぶる
「アリス!目を覚ましたか⁉︎」
いち早くエースが気がつき全員の視線が一気にこちらに向きます。
ひぃぃぃいっ!
私は急いだ子猫の姿になると隊長さんたちの隙間を通ってお父さんの膝の上に避難しました。
ピュー!
目にも留まらぬ速さで移動してやりましたよ!
流石に隊長さんたちもびっくりでしょう。
お父さんはそんな私の様子を見て深いため息をつきました。
ううっ…呆れてしまったのでしょうか?
「仕方ねぇバカ息子どもだ。末っ子に構いたいのは分かるがほどほどにしろ」
…よかった。
呆れたわけではないようです。
ふうっ。
一安心ですねっ!
「アリス、お前はどこに行きたい?あのバカどものことは気にせずにお前の好きなところへ行け」
お父さんに言われるとなんだか心が軽くなるのでとても不思議ですね。
私は膝の上から隊長さんたちを見る。
…うーん。マルコさんやジョズさんの隊ならお仕事をためなさそうですね。
イゾウさんは却下です。
色気にやられてしまいます。
他の隊長さんも優しそうですし、4番隊も良さそうですね。
けど、ここはやっぱり…
私はヒョイっと膝から飛び降りるとトテトテと隊長さん達の輪の中に戻り、エースの前でピタッと止まり向かい合う形になり
「にゃーん」
と、一言鳴きました。
エースの顔はまさに開いた口が塞がらない状態でしたが状況を理解したのか、だんだんと笑顔になっていって…
「アリスー!」
「みにゃっ!」
むぎゅと潰されました。
く、苦しいです。
ひょいっ
あ、全然苦しくなくなりました。
「エース、アリスがかわいそうだろ」
サッチさんが助けてくれました。
ありがとうございます。
お礼にほっぺにすりすりしときますね。
スリスリスリ…