第3章 新しい生活
次に目が覚めたとき、なぜか食堂にいました。
あれれ?いったい私はいつ食堂へ移動したのでしょうか?
記憶のないことで軽くパニックになっているとどこからかふんわりと甘い匂いがしてきました。
「お、アリス。起きたか?」
奥のほうから出てきたのはサッチさんでした。
手には焼き立てらしきクッキーがあります。
お、おいしそうです。
じゅるり。
「昼寝に付き合ってくれた礼だ」
クッキーを目の前においてくださいましたよ!!
さっそくいただくとします!
あーん…バン!!「腹へった!」
ガクッ!
大きな声で食堂に入ってきたのはエースでした。
お仕事は終わったのでしょうか?
「おっ!うまそうなクッキーがあるじゃねぇか!いただきっ」
あぁぁっ!!
私のクッキー、エースが食べちゃいました!!
ひ、ひどい。
「お、どうした?アリス。むしゃむしゃ」
折角サッチさんが作ってくださった出来立てのクッキー。
今から食べようとしていたのに…。
「お、おい?アリス?」
何の反応もしない私を見て変だと思ったのか、エースは顔をのぞかせてきます。
むうぅぅぅっ。
今日はなんだかエースの顔を見たくありません。
「お~い、アリス。クッキーうまかったか?」
サッチさんが奥から聞いてきましたが私はそれどころではありません。
エースなんて嫌いです。
「みにゃーん!!!」
必殺ネコパンチ!!
「ぐわぁ!」
「えっ1ちょっ!うおおっ!!」
私のネコパンチでエースはサッチさんのほうへ飛んで行ってしまい、その間に私は食堂から出ていきました。
…、どうしましょう、エースを殴っちゃいました。
サッチさんもとばっちりをくらっていましたし。
気が付くとお父さんの部屋の前にいました。
「にゃーん」
「あら、アリスちゃん」
中にはお父さんとナースのお姉さま方がいらっしゃいました。