第3章 新しい生活
「みにゃっ!」
「ちいさ〜い、もふもふ〜♡」
あわわわっ!
ナースのお姉様に抱っこされちゃいました!
ふわぁ、いい匂いがします、
…あれ?私って変態みたいですか?
でも許してください。
猫の姿では嗅覚が優れているんです。
「グララ。で、どうしたんだ?」
ナースのお姉さまの腕の中からお父さんの手の上に移動させられました。
お父さんの手は大きいですね。
私が乗ってもまだ余裕がありますよ。
「にゃーん」
…どうしましょう猫の姿では言葉が伝わりません。
けど、これだけ人がいて元の姿に戻るのはちょっと
お父さんは何かに気づいたのか、ナースのお姉様方を部屋から退出させました。
大丈夫なのでしょうか?
「今この部屋には俺とお前しかいねえ」
そう言われて私は初めて気づきました。
お父さんは私に話しやすい環境を作ってくれたのですね。
私は人間の姿になってさっき起こったことを伝えました。
お父さんは真剣に聞いてくれたので嬉しいです。
「どうしましょう?やっぱり嫌われてしまいますかね?」
溢れてきた涙をお父さんは拭ってくれました。
「大丈夫だ。家族なんて喧嘩して絆が深まっていくんだ、エースもお前を嫌ったりしねぇよ」
もう少し待っていたらそのうち来るだろう。と。
本当にそうなのでしょうか?
一方的に殴ってしまいましたし、サッチさんもとばっちりを受けていました。
すると、お父さんの部屋のドアが開きました。
入ってきたのはエースでした。
「エース」
「アリス 」
エースはバツの悪そうな顔をしてそっと何かを差し出してきました。
そこには先ほどのクッキーがありました。
「さっきは悪かった」
あ…
「わ、私もごめんなさい」
私たちはぎこちなくも顔を合わせることができました。
喧嘩?して1時間ぐらいしか経っていないんですけどなんだかエースの顔が観れたのが嬉しくて
「にゃーん!」
私は猫の姿に戻りエースに思いっきり抱きついちゃいました。
「グララ、解決したならさっさと行け」
「おやじ、ありがとな」
「にゃん!」
ありがとうございます!
エースに近づけた日でした