第17章 ひねくれ花言葉
それならば、空っぽの花瓶も、電電虫の音沙汰の無さにもうなずける。
「花瓶…っ」
思わず呟いた瞬間、背後から、低い声。
「昨日の花瓶から、水が漏れていた。」
振り向けば、なんとクロコダイル本人がいた。
彼の言葉に、花瓶を見れば、確かに、形は同じでも、昨日とは柄が違う事に気づいた。
「…でも…この花、」
力無く呟いて振り向けば、『まだ分からねェのか』、という表情をした彼。
さっきよりも、距離が近くなっている事にクラクラする。
「花瓶…っ」
思わず呟いた瞬間、背後から、低い声。
「昨日の花瓶から、水が漏れていた。」
振り向けば、なんとクロコダイル本人がいた。
彼の言葉に、花瓶を見れば、確かに、形は同じでも、昨日とは柄が違う事に気づいた。
「…でも…この花、」
力無く呟いて振り向けば、『まだ分からねェのか』、という表情をした彼。
さっきよりも、距離が近くなっている事にクラクラする。
「…き、昨日、私が来た時には、花、無くて、花瓶…そのままで空っぽでした!」
どうして、今日、花がいけられているのか、と問えば
「俺が花を持ってくる前と、花瓶が割れる前の間にお前が来ただけの事だと思うが?」
と、あっさりと言われてしまった。
納得していれば、目を細めた彼が
「手に持ってるモン、よこせ」
と言った。
ふと、これを知らない人が見たら、私が悪い人に絡まれているようにしか見えないんだろうな、と思っている間に、彼はサッと私の手からクローバーを奪ってしまった。
そのまま花瓶のチューリップを、能力で枯らして砂にしてしまった彼は、クローバーをいけた。
「…ふん、クローバーか」
彼の言葉に、びくりとして彼を見つめる。
「…え?」
それから、机の影から、黒くて大きなバラを出して、クローバーと一緒に、花瓶にいけた。
ニヤリと笑った彼は言う。
「こいつの花言葉が分かるか」
問というよりは、確認のような言葉。
黒バラの花言葉は
「貴方はあくまで私のモノ、……っ」
答えた瞬間、気づけば私は彼の腕の中にいてた。