第13章 紫煙の策略
未だに告白する勇気も無いのだけれど。
ほとんど一目惚れ状態になって、頑張って16番隊に入ってからは、更にイゾウさんの魅力に惹かれていった。
時折、くしゃりと髪を撫でてくれる暖かい手が好きで。
怒った姿も絵になって見とれてしまうくらい好きで。
安心感を覚える、背中が好きで。
イゾウさんの、声が好きで。
紫煙をくゆらせる、その姿が好きで。
海を見つめる、黒い瞳が好きで。
女の人に間違われたりするけど、男らしく感じる瞬間が好きで。
隊長として、働く魅力的な姿が好き。
何時も、『イゾウ隊長』、って呼んでいたのを、最近はさり気なく『イゾウさん』と呼んでいるのを、気がついているだろうか。
未だに告白する勇気も無いのだけれど、今の私が出した小さな勇気。