第13章 紫煙の策略
夜の白ひげ海賊団の甲板で、紫煙をくゆらせる影が、1人。
現在、私は片思い相手である16番隊隊長、イゾウさんの姿を求めて、甲板でこっそりとイゾウさんを見つめている。
いつだったか、夜の甲板で紫煙をくゆらせているイゾウさんを見つけてからは、何とも色気漂うその姿を影から見つめるのが日課のようになった。
声は、かけない。
その姿に、その背中に見とれて、声をかけるのを戸惑ってしまうから。
…思えば、私の片思い歴も長いものだと、今日は何時もより冷え込んだ甲板で
イゾウさんを見つめながら、思わず苦笑した。