第4章 *恋色観覧車
お化け屋敷からでた後、レイリーさんの提案で、観覧車に乗ることになった。
これには、私も心から賛成した。
レイリーさんと一緒に、観覧車に乗れるなんて、嬉しすぎる。
今はちょうど
夕日が輝いていて、なんだかロマンチックだ、なんて考えてしまう。
観覧車の中で、私とレイリーさんは向かい合って座っていた
もう少しすれば、てっぺんまでたどり着く。
「…茉都莉」
「…え?」
レイリーさんの口から、いきなり私の名前が出てきて驚く。
「今日はすまなかったな。つい我が儘を言って、つき合わせてしまった。…ありがとう」
「なんで…私の名前を知ってるんですか?」
たずねた私に、レイリーさんが笑顔で答える
「…昔、お嬢さんと出会ったのは、私の記憶違いではないだろう」
…覚えていてくれた。
レイリーさんが、私のことを。
たった一度、助けられた、その時を。
そのことに、胸がいっぱいになる。
だけど、私はレイリーさんに名前を言ってはいないはず…。
どうして?
「昔の君は、まだまだ幼かった。…もしかしたら、君は覚えていないかもしれない」
そんな事ない。
私が、あの時の事を忘れられる訳がない。
「私は、レイリーさんと初めて出会った時のことを、ちゃんと覚えてます」
私がそういえば、少しほっとしたように、瞳を細めたレイリーさん。
「…それから、かなりの年が過ぎてから、街で偶然、成長した姿の君に出会った。」
もしかしたら、その時の私は、レイリーさんに気がつかなかったのかもしれない
「そしてまた、最近になって、君の姿を見かけるようになったのだよ」
「やっぱり、気づいてたんですか」
「あれこれと、色々考えた。本当は、君を好きになっていたことに、気付かないフリをしたりもしたんだが…」
うそ…今、何て…?
「barで、君の噂を聞いてな。それで、決心がついたから、こうして君を誘ったのだが」
噂になっていたとは思わなかった…。
それより
「レイリー、さん?それって…」
聞こうとした時、私の横に、レイリーさんが座った。
「…茉都莉。フられる覚悟はできている。私と、付き合ってくれないか」
うそ、今、レイリーさんから告白された…?