第4章 *恋色観覧車
思わず、涙がこぼれそうになる。
レイリーさんが私にキスをした事に驚いて、涙は引っ込んだみたいだけど。
「レイリーさんっ」
「…レイリーでいい」
抱きしめながら、レイリーがそういってくれた。
今、とても語り尽くせないほどの幸福に、私は包まれていた。
「茉都莉」
「なに?」
「…今日は、本当にすまなかったな。」
「どうして?」
さっきと同じことを言うレイリーに、聞き返す
「いい年をして、君をからかってしまった。…まぁ、好きな人にほど、イジワルをしたくなってしまうものだが。」
そういって、イタズラっぽく、優しいまなざしで私を見つめるレイリーさんと
ちょうどてっぺんに来て、そこから見えた輝く夕日を、私はきっと
一生忘れることはできないと思った。
*end*