第4章 *恋色観覧車
というか…
なんだか、さっきの声がだんだんと、近づいているような…?
レイリーさんに、どのくらいで出口にたどり着けますかね?
と、聞こうとしたその瞬間
「たすけてよおぉぉぉっ!!!!!」
目の前に…
長い髪に、真っ赤な唇…そして真っ赤なコートを着て
天井から、逆さまにぶらさがる上半身だけが見える
血まみれの
女の人が……
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!???」
完璧に不意打ちできたお化けに、私は思わず全力で叫んでいた
…今更だけど、作り物だろうと、私はホラーが苦手なのだ。
「ゃ、やだ~~っ!」
少し走ってしまっていたらしく、
レイリーさんが私の手をつかんでくれた
「やれやれ…。全く、怖がりなお嬢さんだな?」
レイリーさんに、そう声をかけられて、私は急激に恥ずかしくなった
「ご、ごめんなさい…」
「手でも繋ごうか?」
22にもなったのに、恥ずかしいところを好きな人に見られてしまった
分かっていても、私は思わずレイリーさんの手を握ってしまっていた
「…っ」
レイリーさんはきっと、冗談のつもりだったのかもしれないけど
それでも、私が手を握ると、握り返してくれたレイリーさんに、私は嬉しくなった
「みぃぃ~たぁぁ~なぁぁぁああああ!」
「ひゃあああっ!!」
「はっはっは」
…また、
学習せずに驚かされた私を見て、レイリーさんが笑った