第4章 *恋色観覧車
だけど、ここ最近はもう3日もレイリーさんの姿をみていない。
「うぅ、どうしたんだろぅ…」
もしかして、流石に怪しくなって、ここに来なくなったとか…?
ため息と共に、言葉を吐き出す。
「もう、会えないのかなぁ…」
「…誰に、会えないんだ?」
「!?」
驚いて顔を上げると、そこにいたのは、なんとレイリーさんだった。
「お嬢さんは何時も、ここにいるからな。声をかけてみたんだが。」
レイリーさんには、やっぱり分かってたんだ。まぁ、当たり前かもしれないけど。
「…あの、あなたの名前は?」
初めて会った日から、忘れたことがなかったレイリーさんに、何故か私は、名前を尋ねていた。
レイリーさんから声をかけられたことが、夢みたいだ。
別にナンパとかじゃないだろうに。
ただ、レイリーさんに声をかけられた、それだけで。
レイリーさんからしたら、私は何時もこのベンチに座っている
ただの小娘でしかないのだろう。
もしくは、おかしな小娘。
それでも。
嬉しいことは嬉しくて、心臓がバクバクいっている