第4章 *恋色観覧車
という声が聞こえて、次の瞬間には、海賊の下っ端はどこか逃げていた。
今度は安心して、泣き出してしまった私に、その人、つまりレイリーさんがしゃがみこんで、頭を撫でてくれたのだ。
それから、私の手にシャボンディーパークのチケットを握らせて、彼は去っていった。
その時から、私は恋に落ちた。
お礼すら言っていないし、彼の事を知りたくなった。
彼はどうやら有名人らしく、すぐにいろんなことが分かった。
私じゃ、駄目かもしれない。
レイリーさんは、私の事など覚えていないだろう。
それでも、レイリーさんの事が大好きなのだ。いやむしろ、愛してる。
あの時貰ったチケットは、今もカバンの中に入っている。
そのカバンを抱きしめながら、特に何をする訳でもなく、ベンチに座る。
一時、これじゃストーカーじゃないのかとも思ったが、お礼を言うために、という名目を使って自分を納得させた。