第3章 *私の甘さ*
大きなソファの上でごろごろしていると、一週間ぶりに姿を見せたドフラミンゴに名前を呼ばれた。
嬉しいけど恨めしいような気持ちで彼を見つめる。
「…フッフッフッ、茉都莉はどうやらご機嫌斜めらしいなァ」
独特の笑い声で、珍しくピンクのもふもふを着ていない彼が、ソファの隣にどっかりと腰をおろした。
このまま、彼を少し困らせてみたいけど、そんなことしたら、色んな意味で後がこわい。
気のせいかもしれないけど、一週間ぶりに見たドフラミンゴは疲れているような気がする。
いつも体力の有り余っている、あ の ドフラミンゴ。
「なんだ?」
じっと見つめていると、彼にそう聞かれて、サングラス越しに私の全てを見透かすような瞳から、目をそらす。
「何でもない」
あぁ、可愛くないなぁ、私。
そういえば、ついさっき使用人さんが、ドフラミンゴの事を教えてくれた。
5日連続で徹夜、2日間もろくに睡眠をとらずに仕事をしていたらしい。
…まぁ、そう聞いていても私はふてくされていたんだけど。
やっぱり、疲れてないわけないじゃない!ということで、ちょっと大人しくしようと思った。
あと、素直にもなってみようかな。