第6章 俺を動かす理由はいつも君(潜尚保×白布姉同僚)
「あのさ尚保。さっきから何なの?まるで…あ。」
ゆりちゃんの手にしていたアイスの棒から、アイスは溶け、落下しそうになった。それを俺は棒から落ちる前に食べた。口に広がるなんとも不思議な味に不快感は増す。
「ゆりちゃんこれ好きなの?」
「え?あ、うん。」
「じゃあ俺も好きになる。」
好きな人の好きな物は好きになりたい。ゆりちゃんが好きだった山菜そばを好きになったように。
家に帰った後、漸く念願のゆりちゃんのアドレスを手に入れた。さほど進歩は無かったけど、今はこれだけで充分だ。もう少し待っててねゆりちゃん。絶対ゆりちゃんの理想の男になってみせるから。だからまだ誰のモノにもならないで。