第6章 俺を動かす理由はいつも君(潜尚保×白布姉同僚)
そして、二年生へと進級し、迎えた夏休み。お母さんから、お盆に奈緒子ちゃんが帰ってくると聞いた俺は、お盆にゆりちゃんの家を訪れた。俺がゆりちゃんの家を訪れるのは凄く久しぶりの事だったが、オバサンは快く迎えてくれた。そして俺の大好物でもあり、ゆりちゃんの大好物でもあるの山菜そばを出してくれた。それを食べながらゆりちゃんが帰ってくるのを待った。山菜そばを食べ終わり、ボーッとゆりちゃんが帰ってくるのを待った。
「なんでいんの?」
久しぶりに会ったゆりちゃんは益々綺麗になっていて、思わず挨拶をする声が震えた。俺の顔を見るなり不満そうな表情を漏らすゆりちゃん。でも、そんなのも気にならない位ゆりちゃんに会えた気持ちの方が勝っていた。
「ゆりちゃん彼氏いるの?」
「いるに決まってんじゃん。私に彼氏いない時期が少しでもあった?」
ゆりちゃんは昔から本当にモテていた。ゆりちゃんの隣にいれるその存在が羨ましくて、妬ましくて堪らなかった。
「結婚するならキャリアがあって、年収一千万越えるような人じゃないと嫌なの。」
昔はスポーツが出来る人、そう言ったゆりちゃんの言葉でサッカーを始めた。でも、ゆりちゃんが短大生の時、付き合ってた彼氏がバレーをしてた。割と熱しやすく冷めやすいゆりちゃんがその彼氏のバレーをする姿をカッコいいって言っていた。だから俺はサッカーを辞めてバレーを始めた。純粋にバレーが好きで始めた奴からしたら、俺がバレーを始めた動機は凄く不順な物だと思う。でも、俺を動かすのはいつもゆりちゃん。
「スポーツが生活の何の足しになんの?」
ゆりちゃんの理想に近付くには、まだまだ努力が足りない。