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【HQ】君に好きだと言えたなら

第4章 少しでも君の理想に近付きたくて、(潜尚保×白布姉同僚)


 俺が小学4年生、ゆりちゃんが高校2年生の時、学校から帰ってくると、自分の家の前でポロポロと涙をこぼすゆりちゃんを見かけた時は、かなり衝撃的だった。ゆりちゃんが泣く姿なんて想像出来なかったから。でも、驚いた気持ち以上に、泣いているゆりちゃんの涙は凄く綺麗で、思わずその涙に引き込まれてしまった。どうしたらいいのか分からず、俺はポケットからハンカチを取り出して、ゆりちゃんにそれを差し出した。そこでやっと俺の存在に気付いたゆりちゃんは、なおくんに気を遣わせる日が来るなんて思わなかった、なんて言って悲しそうに笑った。話を聞けば、彼氏に振られたらしく、プライドの高いゆりちゃんはそれが何だか悔しくて涙が出たと言っていた。そんなゆりちゃんに小学生だった俺はなんて言葉を掛けていいか分からなかった。でも、俺だったらゆりちゃんの事泣かせたりなんかしないよ。そう思った。

 中学生だったゆりちゃんがスポーツが出来る男の子ってカッコいい。そう言ってるのを聞いてサッカーを始めた。
 高校生だったゆりちゃんが馬鹿な男は無理。そう言ってたのを聞いて勉強も頑張った。
 ゆりちゃんの事が好きだったから、少しでもゆりちゃんの理想に近付きたくて、ゆりちゃんの好みの男になれるよう努力していたんだと今になって思う。でも、いくら俺が頑張ってもゆりちゃんは俺の事なんか見向きもしてくれなかった。


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