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【血界戦線】SOAK IN BLOOD

第10章 画面向こうの女はむせ返るほど甘い愛を囁いた




名前の額にキスをすると




ウイスキーのせいか、
甘い恋愛映画のせいか
いつもよりも憂いを帯びた瞳が
スティーブンを見上げる



堪らなく官能的な彼女の顔に
もう一度そっと瞼にキスを落とす


左手を彼女の柔らかな頬にまわし
淡く色づいた唇を親指でそっと撫でる




彼女の言葉を思い出し
「まだかい?」と聞けば



『まだ、です。』と艶っぽく笑う。




彼女の柔らかな頬へキスをおとし




スティーブンは困ったように笑い
「こんなお預けを食らった事はないよ」
そう呟きながら



耳へ、首筋へとゆっくり

劣情を抱かせるようにキスを落としていく




『スティーブンさん今映画良いところですよ?』




「僕にとってはこっちのが良いところなんだが?」
そう言うと、名前は驚いたように数回瞬きをし

クスリと笑うと

彼女の華奢な両手が首に回り

ふんわりとした甘い香りと共に

柔らかな体で抱きしめられる


驚いて、名前と名前を呼べば

『今は私が良いところなんです。』




そう言って子供を甘やかす時の様に
スティーブンの頭をくしゃくしゃと撫で
回す腕に力を入れる




いつぶりだろう、こうしてただ単純に

相手の温もりを感じたのは

柔らかな体と甘い香りに

包み込まれるような暖かさを感じながら


そっと目を閉じた。






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