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【血界戦線】SOAK IN BLOOD

第2章 routine work




「申し訳ない」


彼女に謝りながら
火照りがなかなか消えない顔に手を当てる


彼女の血は、相手の体内に入れて自然治癒力を活性化させる
ものだ。
これにライブラのメンバーも幾度となく救われてきたのだが

柔らかな唇と甘い香り
溶けてしまいそうなくらい熱い熱のもった舌が
麻薬のような中毒性を含んでいる

1度血液飲めば良いのなら腕や他の場所から
飲ませれば良いんじゃないかと提案してしてみたが


『いやよ!口の中の傷が1番治りやすいもの』

嫁入り前の身体に傷なんかつけたくないわ
と、却下された事がある。


嫁入り前の娘がそっちの方が問題ではないかと思うが

『私はナイチンゲールではないわ
みんなを救いたいなんて思ってないちゃんと選んで使っているわ
大切な人にだけよ』

無理な人は無理よ!私結構潔癖なのよ!

と言うあっけらかんとした彼女の言葉を
事務所の後始末にせかせかと動く彼女の背中を見て
思い出した


身体の痛みが引くのを感じながら
自身の唇に手を触れると、自分の指の固い感触に
対照的な先ほどの柔らかな名前の唇を思い出してしまう。

「申し訳ない」

下心などないとわかっているのに
罪悪感にもう一度彼女には聞こえない声で謝罪の言葉を漏らした。



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