第3章 二次試験と飛行船
「しゅ~~~~りょ~~~~ぉ!!
豚の丸焼き料理審査、70名が通過!!」
ゴオオオォォン……!
銅鑼の音とともに、二次試験試験官メンチの大声が響いた。
メンチの隣では、豚の丸焼き70匹をたいらげた、もう1人の試験官ブラハが満足気に腹を抱えている。
あの体格とはいえ、食べる量には限界がある、と言ったのは受験生の誰だったか。
予想以上の大食漢ぶりに誰もか呆れ……
いや、感心する間もなく、次のメニューが発表される。
「二次試験後半、あたしのメニューは……
スシよ!!」
「スシ、スシかぁ……
ゴンはどんな料理か知ってる?」
「ルカも知らないの?
う~ん、ライスだけで作るのかな~
キルアはわかる?」
「俺も知らないな。
道具とか見ると……他にも何か使いそうだぜ?」
ルカ達同様、他の受験生も初めて聞く料理名に困惑の色を隠せない。
用意された調理器具やライスを目の前にしても、『スシ』がどんな料理なのか、イメージすることさえ難しい。
(う~ん、小さな島国の民族料理って
フレーズは聞き覚えがあるんだけどなぁ~)
ルカが唸っていると、
そう離れてはいない調理台の向こうから、
レオリオの声が聞こえてきた。
「魚ァ?!
お前、ここは森ん中だぜ?!」
「声がでかい!!」
ツッコむクラピカの声も、十分でかい。
結局、受験生全員が
魚目指してビスカの森に散ることとなった。