第2章 一次試験
「レオリオ!気がついた?」
「っつ~~うぅ~……うぁ?ルカ?」
「「レオリオ!ルカ!」」
受験生の群れから呼ぶ声に目を向けると、
ゴンとクラピカが駆けて来るところだった。
「ルカ、
レオリオと一緒にいてくれたんだね!」
「私も今来たところだよ」
「うむ、腕以外は無事のようだな」
「てめ、クラピカ……よく顔見ろ、顔を」
元気そうに受け答えするレオリオを見て、ゴンとクラピカも安心している。
3人が無事合流できたことを喜ぶルカの肩を、クラピカが叩いた。
「何?クラピカ」
「いや、彼をここまで運んだのは
……ヒソカのはずだが、君は無事か?」
「うん? ヒソカなんか見なかったけど」
ルカの言を受けて、クラピカは安堵の表情を見せる。
「レオリオの傷はヒソカに負わされたものだ。
他にも大勢の受験生が奴の犠牲になった。
ルカも奴には注意した方がいい」
「うん、そうする。ありがと!」
忠告してくれるクラピカに、
痛む良心を隠しながらルカは笑顔を向ける。
ゴンもクラピカも優しいから、隠し事をしているのがとても心苦しかった。
「ねぇ、そーいえば
何でみんな建物の外にいるのかな?」
「中に入れないんだよ」
「「「キルア!!」」」
ゴンの質問に応えたのは、今まで姿の見えなかったキルアだった。
「よ。どんなマジック使ったんだ?
もう絶対戻って来れないと思ったぜ」
どこからともなく現れた彼に驚く前に、
香水を頼りに追いついて来たというゴンの鼻に、力いっぱい驚いてしまった。
「やだ、信じらんない!どんな鼻してるの?」
「オレ、森育ちだからね」
(ゴンは念を使ってないから……えっ
ホントに本気で、どんな鼻してんの……!
すごい!)
「すごいね~!すごい鼻!」
「あんまり誉められると、照れるよ」
「てか、ルカ食いつき過ぎ」
そんな他愛もない話をしている間に、
正午=二次試験開始まで、あと5分を切った。