第4章 夢と思い出
いくら気味悪がられても、この気持ちに嘘は無かった。ずっと、好きだった。
私は、上半身を起こすと、椅子に座ったまま寝ている彼女の頭を撫でる。
「…………」
肌、白いなぁ。本当に運動部なのだろうか、と思った。
「……良いかなぁ」
そう呟くと、私はこくりと唾を飲み込む。
……唇にしなければ、平気か?
ごめん、と心の中で謝る。
そして、上半身をめぐみへと寄せて、顔を頬に近付けると、そのまま唇を彼女の白い頬へと押し付けた。
これが、最初で最後のキス、かな。
部屋の中で、時計の秒針の音だけが静かに響いていた。
曖昧な黄昏時には、もうサヨウナラ。