第49章 二年後
「……ハイハイ。お久しぶり会はそこまでね。
これからお前達は、また俺と任務をこなしていく、チームになる……
昔とは違い、今は先生と生徒ではない。対等な木ノ葉の忍だ。」
カカシの言葉に、サクラはナルトの服を離し、サスケは真剣な表情になる。
教え子達が気を引き締めたのを見ると、カカシは懐から三つ、鈴を取り出した。
「……ま、どれだけ強くなったのか試してやるよ…………
ルールは前と同じ…………俺を殺すつもりで来ないと取れないからな!」
「…………」
ナルト達はそれに、少し緊張したような挑戦的な笑みで応えた。
十分後。
三人はカカシに連れられて、第三演習場にいた。
「…………よし。じゃ、始めるぞ。ルールは前と同じ!
どんな手を使ってもいいから俺から鈴を取ればいい。
期限は明日の日の出までだ。」
カカシの言葉に、三人はゴクリと唾を飲み込んだ。
そこで、ふと、ナルトが口を開いた。
「……なんか、懐かしいってばよ、ここ。」
「そうね……」
不意にナルトが呟き、サクラが同意した。
「ああ……そういやここは、お前達の最初の演習場だったかな…………」
カカシも眼光を緩めて、それに同意した。
「私達の班だけ…………四人一組だったわね……」
サクラがしんみりと呟く。
「ああ……あのときは……ルナ……」
カカシがそう言うか言わないかのうちに、ナルトは四つん這いになってブツブツと何かを呟き、サクラはしゃがみこんで地面を弄り始め、
サスケはそっぽを向いて俯き、言い出しっぺのカカシもズーンと落ち込んでしまっていた。
彼らの頭の中は勿論、一様にルナでいっぱいだ。
今の彼らにとってルナは、口に出すのも躊躇われるほどに重い存在だったから。
(……ハァ、ルナ…………なんだろ、この気持ち…………
……とにかく、こいつらの前でルナの名前は禁句だな…………)
カカシは言いようのない淋しさを持て余しながら、小さく溜息を吐いた。