第9章 アカデミーの日常
その日の帰り道。
「今日は上級生に絡まれなかった。」
「そっか、よかったね!きっともう永遠に絡んで来ないよ!」
事実、そうなのだが。
「……ルナは何をしたんだ?」
「さあねー?でも、大したことじゃないから、心配しないで。」
「でも、絶対にあいつらには近づくなよ。」
イタチは本気で心配してくれているみたいだった。
「イタチ兄さん……ありがとう!だーいすき!」
ルナはイタチを安心させたくて、そう言って抱きついた。
するとイタチは、少し顔を赤くして、
「……そうか。」
と言って頭を掻いた。
「そうだ!また茶屋に行こうよ!イタチ兄さん、甘いもの好きでしょ?」
「よくわかったな。実は、そうなんだ。じゃ、行こうか。」
イタチとルナは手を繋いで、いつもにも増して仲良く、茶屋まで歩いて行った。
茶屋に着くと、イタチが団子を十皿も注文したので、ルナは仰天した。
「イ、イタチ兄さん、ずいぶん食べるね………」
「何だか今日は腹が減ってな………」
「ま、イタチ兄さんが元気になってくれてよかったよ。」
「……ルナ、いつもありがとな。」
「どういたしまして!」
イタチとルナはふふっと笑い合った。