第49章 二年後
ルナが大蛇丸の下に来てはや二年と約半年、人中力のもとに影分身を配置して数ヶ月。
影分身からある情報が飛ばされてきた。
その内容は、岩隠れのハンの元に暁が現れ、連れ去ったとのこと。
尾獣を抜かれた人中力は死亡する。
それをわかっていたルナの影分身は、ハンにある指輪を嵌めていた。
昔イタチにあげたのと同じ、ルナのチャクラを利用して自動回復効果を付与する代物に、飛雷神の術式を刻んだものを。
これによって、人中力は尾獣を抜かれても、経絡系の損傷から死亡することはなくなる。
あとは、ゼツに喰らわれる前に、人中力を里に戻し、指輪を回収すればいいだけだ。
(まあ、私の仕事は、所詮そこまで……その先は、彼ら次第…………
……結構無責任だけど、私もそこまでヒマじゃないし……勘弁して下さい。)
命を救った、その後のことは…………本人達の意思に任せるつもりだった。
そのまま数日待っていると、ハンから五尾が抜かれ、ハンを生きたまま岩隠れに戻すことに成功したとの記憶が送られてきた。
(うん……第一弾は、これでオッケー。本体の私が介入するのは、一尾と八尾と九尾の件だけでいいや。
勝手な話だけど、暁の皆さんは死なせる気ないし……そもそもみんな、大筒木カグヤに踊らされてるだけだし……
……何より、死んだら悲しいもん。だから死なせない。私は私のために、暁を生かす。
暁の皆さんは……李蘭達には悪いけど、また神隠れで預かってもらお。で、カグヤ倒したら解放と……
……うん。それで問題無い。多分。)
ルナがそう思ったとき、君麻呂がルナを呼ぶ声がした。
「おーい、ルナ。おいで。午後の修行の時間だ。」
「はーい。今行きます。」
ルナは返事をすると、修行用の服を着て髪を纏め、部屋を出た。