第48章 奈落へ

「……よし。お前ら全員、これからなにをすべきか、ハッキリしたみたいだな。」

カカシがそう言ってふぅと息を吐き出す。

「……ルナの言ってることが嘘か本当か、それはわからない。

……だがな、わからないからって立ち止まっている訳にもいかない、だろ？

…………だから、サスケはルナを倒すために、サクラとナルトはルナと向き合うために……強くなれ。

心配するな！ルナは強い。そう簡単に越えられるような壁じゃない。慌てなくたって、横取りされたりはしないさ。

それに……強いからこそルナは、今すぐ俺達を始末することを選ばなかった……そこが、ルナの弱点だ。

俺達一人一人は、ルナに遠く及ばなかもしれない……でも、二人なら、三人なら？

…………チームワークで勝負するなら、可能性はゼロじゃない。

だから…………今はただ、強くなれ。」

「…………はい。」

「…………おう。」

「…………」

サクラとナルトは強い決意が感じられる表情で、サスケは複雑な表情で、カカシに頷いた。


「……んじゃ、今日はこれで解散ね。ナルト、出発日が決まったら教えてくれ。サスケ、ついて来い。」

「……ああ。」

カカシとサスケが席を立ち、テーブルにはナルトとサクラが残された。


「……なあ、サクラちゃん……サクラちゃんは、ルナ姉ちゃんのこと、どう思ってんだ？

俺やっぱり、信じらんねぇってばよ……だって姉ちゃん、すごく悲しそーだったんだ……」

ナルトがテーブルに上体を預け、腕に顔を埋める。

その仕草はどこか……寂しそうだった。

「……そうねぇ……サスケ君には内緒だけど、

実は私も、ルナお姉様がうちは襲撃の犯人だとか、世界征服を企んでるとかは、あんまり思ってないわ。

だって、突然すぎるじゃない？お姉様今まで、世界の平和の話なんて一度もしなかったし、それにあの呪印。

あの様子じゃ、もう使いこなしちゃってるみたいだし……大蛇丸のところに行く必要なんて、ないんじゃないかしら？」

サクラがごく冷静に自分の推理を述べる。