第48章 奈落へ
「事情があって嘘を吐いてるだ?お前は自分に関係ないから、そんなことが言えるんだ!
俺はアイツのせいで、全てを失くした!一族も!兄さんも!
アイツは俺が、必ず殺す!どんなに時間がかかっても、必ず!」
サスケが息を切らして、新たな復讐宣言をする。
「……落ち着け、サスケ。ルナの狂言の可能性だってゼロじゃない。証拠がないんだからな。
それに、それじゃルナの思うつぼだぞ。ルナは、自分のために強くなった誰かを殺したいと言ってた……だろ?」
ごく冷静に言うカカシに、サスケが苛立ちの矛先を向ける。
「大体、カカシはなんなんだよ!アイツのこと全部知ってて、
何度も一緒に任務に行ったことあるクセに、今まで全然気がつかなかったのかよ!兄さんのことだって!
二人と接点があったなら、止められたはずじゃないのかよ⁉︎
それともアレか、アイツは七歳の頃からお前より強かったってのかよ⁉︎」
「……ああ。」
サスケの叫びに、カカシはただ一言、肯定を返した。
「……え?」
サスケは驚きに目を見開き、固まった。
「……お前達も見たろ。ルナの血継限界、"命遁"を。食らったナルトならわかるんじゃないか?
ルナが本気になれば、どんなに大量のチャクラを持っていようが関係ない……一瞬で吸い尽くされて死ぬだけだ。
もう一つの"神通眼"は、神隠れの人間のみが受け継ぐ、未知の瞳術。
加えて、驚異的な生命力……俺の雷切は確かに、ルナの心臓を潰した。でも、ルナは死ななかった。
それに、それを差し引いても、ルナは強い……命遁や神通眼以外にも、多種多様な血継限界を使える。雪の国で見たろ?
つまりだ…………ルナはもはや、一人の人間と言うには強すぎる…………神にも近い何か、だ。
七歳だろーが十四歳だろーが変わらんさ。俺達とルナの別れ道は、生まれるよりずっと前ってことだ。」
「……そんな……」
キッパリと言い切ったカカシに、サスケが絶望的な表情を見せる。
他の二人も、下を向いてなんとも言えない顔をしていた。