第48章 奈落へ
「……じゃあ……カカシがアイツを拾わなかったら、
アイツはうちはには来なかったかもしれねーってことか?」
「いや、それは違うな。ルナは故郷と両親をなくしたから、母方の実家のうちはに頼るしかなくなって、木ノ葉に来たんだ。
俺が拾おうと拾わなかろうと同じさ。」
剥き出しの怒気をサスケに向けられて、カカシは溜息を吐きたくなった。
「……一旦話を整理しよう。とにかくルナは、自分の故郷のこと、襲撃事件のこと、大蛇丸のところに向かう目的、
全部をお前達に明かしたってことか?他に何か言っていたことは?」
「……アイツが、世界征服を目指している理由だ。」
サスケが憎しみに囚われた瞳をして呟く。
「……アイツはな!自分のために数万人死んだから、だから世界征服して世界を平和にするとか、
そんなメチャクチャなことを平気で言うヤツなんだ!アイツは木ノ葉の、世界の敵だ!
アイツがその力を手に入れる前に、さっさと潰すべきなんだ!」
激情に駆られて、サスケが再び立ち上がる。
「俺はそうは思わねぇってばよ!ルナ姉ちゃんは、きっとなんか事情があって、ウソ吐いてるだけだ!」
ナルトも立ち上がって声を張り上げる。
その言葉に、カカシはハッとした。
(嘘を吐いてる……そうだ、それだ!ルナは昔、イタチをとても愛していた……
……うちは襲撃をやったのは自分だと偽ったのは、サスケの復讐心からイタチを守るためだとすれば、辻褄が合う……
でもって、もう一度木ノ葉に来たのは、大蛇丸からサスケを守るためだと仮定すれば……
……ルナは、イタチとサスケ、両方を守ったってことになる……それならわかる……ルナの考えそうなことだ……
…………もし本当にそうなら、サスケは今、ルナの思い通りにコントロールされているってことだ……)
だが、この場でそれを言うのは得策ではないとカカシは思った。
言えばサスケは必ず噛み付いてくるし、それに……この推理がアタリなら、ルナがそれを望むわけがないからだ。