第48章 奈落へ
「……ハイハイ、二人とも、一回落ち着いて、座れ。喧嘩するために集まった訳じゃない。」
「……」
「……チッ。」
カカシに言われて、ナルトは涙ぐんだまま、サスケは表情を憎しみに歪めたまま、渋々椅子に座った。
「……まあ、ルナが本当に世界征服を目指してるかはわからんが……
サクラ、あのときのことを、順を追って教えてくれ。」
カカシは一番冷静に話ができそうなサクラにそう言った。
「はい、わかりました……えと、私達がちょうど終末の谷に着いたとき、ルナお姉様が、像の頭の上に立ってたんです。
あのときはまだ、変化したままでした……それから、世界征服できる力を手に入れるために大蛇丸のところに行くって……
それからあの、呪印、でしたっけ、あれを開いて……黒い翼を生やしてみせたんです。」
「ほうほう、例の、大蛇丸の呪印か……もう使いこなしてるってわけね……」
カカシが神妙に頷く。
「……その翼を引っ込めて、地面まで降りてきて……それから、ナルトが訊いたんです。なんで世界征服したいのかって。
そうしたら、それが知りたいなら俺を倒してごらん、どっちみち俺を倒さなきゃ、連れ帰ることはできないんだからって……
だから、サスケ君は千鳥で、ナルトは螺旋丸で、ルナお姉様に向かっていたんです。」
「…………でも、当てられなかった?」
「はい……サスケ君もナルトも、当てる直前で止まりました。それで、ルナお姉様はサスケ君の手を……」
「……掴んで、自分の胸に突き刺した?」
「そうです……知ってたんですか?」
話の先を言い当てたカカシに、サクラが問いかける。
「いや……俺も似たようなことをされたってだけだ。お前らが寝てたときにな。
でも、ルナはそのくらいで死ぬようなヤツじゃない。それをわからせるために、ルナはあんな行動に出た。」
「クッ……」
カカシの言葉に、サスケが歯をくいしばる。