第47章 二度目の里抜け
「…………だから、殺したのか……?
……でも、だったら何故、サスケとイタチを生かしておいたんだ?」
ルナに対する恐怖心をグッと飲み込み、カカシはルナに疑問をぶつけた。
「あはは、それは、若い二人はまだ食べ頃じゃないと思ったからですよ。
イタチ兄さんは、こんな私なんかを守るために……サスケは私を殺すために……二人がもっともっと強くなって…………
…………殺すのは、それからでも遅くないと思うんです。
それに……私のためだけに強くなった、そういう人を殺すのって、きっとすっごく気持ちいいと思いませんか?」
ルナは一息でそう言い切ると、かつてその祖先がしていたように、あでやかに、邪に微笑んだ。
「そんな…………」
カカシはその冷たい微笑に、かつて見たルナの狂気を垣間見て、怯む己を必死で奮い立たせ、
同時に感じた……この微笑に飲まれてしまいたいという欲求を押し殺した。
「………………そうか。でも……それならそれで、俺はお前を逃す訳にはいかない。
力尽くでも、俺と一緒に来てもらう!」
カカシは話の内容については半信半疑のまま、ルナを睨みつけ、片手に雷切を纏った。
バチバチと火花を散らすのその激しさが、カカシの決意の強さを象徴しているようでもあった。
そんなカカシに、ルナは嘲笑うような、余裕の笑みを向ける。
「ふふっ…………カカシさん。やめておくことをお勧めします。
あなたに、私は、止められない。」
「っ……やってみなければわからないだろっ‼︎」
自分を完全に拒絶したルナを、カカシが雷切で襲う。
その狙いは、左肩だった。