第47章 二度目の里抜け
「……え?今まで、どこで何をしていたか、ですって?
…………ふふ、この状況こそが、その答えですよ。」
ルナはカカシの頰に両手を添えると、妖美に微笑んだ。
「……な…………まさか、お前が……」
「……そう。私が、皇レイです。カカシさんなら、なんとなくわかるんじゃないですか?」
「‼︎」
ルナの言葉に、カカシが目を見開く。
「ふふふっ……後はまあ、この状況を見ればわかりますよね。そうです。私は、サスケに正体を晒しました。
じゃあ、もう行きますね。音の五人衆を待たせているので。」
ルナはそう言うと、カカシに背を向けて、軽く右手を振った。
「待て、ルナ!……何故だ?何故お前が、大蛇丸のところに行かねばならない⁈」
カカシのベストを羽織ったルナの背中に、カカシが叫ぶ。
だが、その声に篭った想いが届くことはなく、ルナは面倒臭そうに、首を捻ってカカシをチラリと見ただけだった。
「…………はぁ。私これでも、急いでるんですよ。
そんなどうでもいいことは、みんなが目覚めてからでも、訊いてみて下さい。」
「どうでもいい、って…………」
カカシが憤慨したような、悲しげな表情をする。
「……ああ、そう言えば。カカシさんは、李蘭から神隠れのこと聞いたことあるんですよねぇ。
…………まあ、いっか。それも別天神で説明できるし。
……じゃあ、さよなら。」
「待て!どうしても行くというのなら、俺を倒してからにしろ、ルナ!」
瞬身で去ろうとしたルナの背中に、カカシが叫び、写輪眼を開く。
無論それは言葉通りの意味ではなく、死んでも行かせないという意味だった。