第47章 二度目の里抜け
「……さてと。お風呂は入ったし、着替えは持った。武器とかは……正直必要ないけど……まあ、一式持った。
よーし、準備万端!」
ルナは真っ黒な重いリュックサックを背負うと、自分に気合を入れた。
(……木ノ葉周辺に不審なチャクラを検出。
四つ固まって行動してる。あと、数十分で来る……そろそろ行くか。)
ルナは静かにアパートを出ると、里の門に向かった。
途中、サクラの気配を感じて、ルナは重要なことを思い出した。
(あ、そうだ。皇レイが、大蛇丸のところへ向かって里抜けしたぁって報告する人が必要じゃん!
まあ、丁度いいから、サクラにやってもらお。)
ルナはそう思うと、スピードを落として、丁度サクラと鉢合わせするように仕向けた。
「……あ、サクラ。こんばんは。どうしたの、こんな時間に?」
光輝く満月を背に、ルナがサクラに笑いかける。
「レイ君……」
(イヤな予感がして、来てみたけど……まさかこんな……)
当のサクラは、戸惑ったようにルナを見ていた。
「レイ君こそ、こんな夜遅くに、一体どこに行こうとしてるの?そんな大きな荷物まで持って……」
「……ふふ、ちょっとね。大蛇丸に呼ばれてるんだ。」
ルナは軽く笑うと、目を細めた。
「大蛇丸って……なんで、あいつなんかのところに、レイ君が……どうしてっ⁈」
ルナの答えに、サクラが狼狽えたように叫ぶ。
「さぁ〜ね……まあ、俺には俺の、目標が色々あるんだよ。
そのために、大蛇丸のところに行くのは避けられない……ってだけさ。」
(これは嘘じゃない。皇レイという人間は架空だけど、素性とかは殆ど嘘吐いてないんだよね〜……
……私ってつくづく、因果なところに生まれたんだなぁ……)
ルナは本心を隠したままクスクスと笑って、サクラに背を向けた。