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神隠れの少女【NARUTO】

第9章 アカデミーの日常


「あーやっぱり体術はこうじゃないと。」

「ああ。」

二人とも思い切り体を動かした後の小さな達成感を味わっていた。

倒れたまま少し休むと、すぐにルナは起き上がってイタチのところへ行った。


「イタチ兄さん、傷治してあげるよ!」

「いつも、ありがとう。」

ルナは命遁を使って、イタチの小さな怪我を全て治した。

そこでイタチははたと気づいた。


「ルナの怪我は?」

多少の擦り傷ぐらいは負っているはずだ。

自分だけ治して貰うのは申し訳ない、と思って訊いた。

ルナは、一瞬で治る、なんて言ったら気味悪がられるかも、という恐れがあったので、

「私の怪我はね、こうやって治すんだよ。

命遁・自己再生!」

と回復する術を見せて、誤魔化しておいた。


「凄いな……そんな術があるのか…………

でも、それならルナはどこへ行っても安心だな。」

「どういうこと?」

「いや、なんでもないよ。それより、もう日没だ。帰ろう。」

そう言ってイタチも何かを誤魔化したようだった。





今日はミコトが任務で留守にしていて、食卓には四人しかいなかった。

フガクが作ったらしい料理は、意外にちゃんとしていた。


(ミコトさん、大丈夫かな……ま、平気か。)

ルナはミコトの実力を信じることにした。


「母さん、いつ帰ってくるかなー?」

サスケがちょっと寂しそうに言った。

「きっとすぐ帰ってくるよ!

………そうだ!今日は一緒に寝る?」

ルナは寂しそうなサスケが少し可哀想になって、そう提案した。

「うん、寝る寝るー!」

途端にサスケの顔が嬉しそうになる。

フガクとイタチは、羨ましそうにサスケを見ていた。


「ねぇね、とーさんとにぃにが、こっち見てるんだけど、なんでだろ?」

サスケはそれに気づいて言った。

「うーん……あっ!二人ともサスケと一緒に寝たいんじゃない?」

ルナは見当違いなことを言った。

「えー、ねぇねがいいー!」

「そう?じゃあ、お風呂に入ったら、私の部屋に来てね。」

「うん!」

フガクとイタチは、やっぱり羨ましそうにサスケを見ていた。

(サスケ………やりおる。)

(サスケ……いいなぁ…………)
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